廃藩置県後、右大臣岩倉具視を全権大使として使節団が欧米へ派遣されることが決定。副使は参議の木戸孝允、大蔵卿大久保利通、工部大輔伊藤博文、外務少輔山口尚芳が選ばれ、その他に書記官・理事官・随員・留学生たちと百名からなる大使節団である。使節団の目的は、条約改正問題、先進諸国の制度や文物調査である。森は、23歳の若き日本初の駐米弁務使として使節団一行を出迎えた。一行は米国各地で歓迎を受ける。ホワイトハウスでグラント大統領との接見式が行われ、米国議会は使節滞在中の接待費として五万ドルの支出を決議。森はこの「寛大」な処置に対し、直ちに国務長官フィッシュへ手紙を書き、深い感謝の気持ちを伝えたのであった。