1865年(慶応元)6月22日、ホ-ムと留学生は早朝から今後の修学方法について話し合いました。ホームは英国の就学規則や学期制について説明をした後、語学力向上を目的に家庭教師による会話実習を夏季休暇に実施することを提案します。新納・町田らはこの意見に賛同し、昼過ぎにはケンジントン・ホテルを引き払い、勉強に都合がよいと思われる宿に移りました。ここで松村は下宿先の建物の様子を次のように表現しています。「吾部屋は六階目にて窓の障子は硝子張にて候。(松村日記)」ガラスを障子で表現するのは日本人らしい視点です。また彼は、障子がガラス張りなうえに、この窓からは向こうの景色まで綺麗に見えると驚いています。
新しい宿に腰を据えた留学生一行は、本格的に勉学に励んでいきます。
久徳