1865年(慶応元年)6月9日、カイロで朝食を済ませた薩摩スチューデント一行は、再び蒸気機関車に乗ります。車窓にピラミッドを眺めながら・・・、約4時間ほどで古都アレクサンドリアに到着。紀元前332年、アレクサンダー大王が遠征途中、その名を冠して建設されたギリシャ風の第一号の都市。彼らがアレクサンドリアに着いた時には、すでに乗客たちを本船に送り届けるための端舟が待機していました。その手際の良さにびっくり・・。松村淳蔵は洋行日記に「電信機の急用を告く、その早きこと瞬目の間に達す。(省略)吾々がアレキサンデリヤに着せし時と、飛脚船より迎船來りて相待候、故に蒸気車より下ると直に迎船に乗り飛脚船に乗入候。實に感歎に堪かたくことに候。」と、感心しています。そして、前年に建造されたばかりの豪華客船「デリー号」に乗船。客室は50~60くらいの大型船でした。これが最後の船旅となります。抜けるような青空の下、紺碧の地中海へ出帆!
この続きは、6月12日となります。お楽しみに(^^♪
畠中